テレビCMの出稿枠の賢い押さえ方を解説!広告代理店への適切な依頼期間とは?
多くの消費者に製品・サービスの魅力を一度に訴求したい場合、テレビCMは非常に有効な手段の1つです。ある程度の費用はかかりますが、リーチできる人数を考えると、その広告費用は決して高すぎることはありません。
しかし、テレビCMの出稿手順は、Web広告やSNS広告と比べると複雑です。注意するべきポイントが多く、テレビ局も関わってくるため、CM出稿は広告代理店を通して行うことになります。初めてテレビCMを出稿する場合、次のようなことに不安を感じる方が多いのではないでしょうか。
- 広告代理店とどのように付き合えば良いのか
- テレビCMの出稿枠はどのように押さえるのか
- 広告代理店はどのように選べば失敗しないのか
本記事では、テレビCM出稿枠の押さえ方について、CM出稿を代理店に依頼するメリット、安全に出稿するための代理店選びのポイントとあわせて紹介します。テレビCMの出稿を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
テレビCMの出稿枠とは?
一口に「テレビCM」といっても、実はさまざまな出稿枠が用意されています。代表的な出稿枠は、次の3種類です。
- タイムCM
- スポットCM
- SAS
テレビCMを出稿する際は、自社の目的に合わせて適切な枠を選ばなければなりません。ここからは、それぞれのテレビCMの出稿枠の特徴や強みについて解説します。
タイムCM
タイムCMは、ある番組のスポンサーとして出稿枠を確保する方法です。契約した番組のスポンサーとして、その番組とセットでテレビCMが放映されます。「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りしております」というフレーズは、タイムCMの出稿企業を紹介しているのです。
タイムCMの強みとしては、番組とセットでブランディングできることが挙げられます。「いつも見る番組で流れているCMだ」と印象づけることで、消費者により受け入れられやすくなるでしょう。
タイムCMで出稿したい場合は、余裕を持って行動することをおすすめします。タイムCMは人気の枠が埋まりやすく、希望する枠で出稿できない可能性もあるためです。タイムCMで出稿したい場合は、最低でも出稿の1〜2ヶ月前には代理店と相談しましょう。
スポットCM
スポットCMは、出稿時間帯を指定する方法です。たとえば「平日19:00〜23:00と土日6:00〜24:00の時間帯」にCMを流す場合、スポットCMで契約することになります。
スポットCMの強みは、放送期間やCM投下量を戦略的に調整しやすいことが挙げられます。たとえば、ビジネスパーソン向けの商材であれば「平日の出勤前」「平日帰宅後の夜間」「土日は全時間帯」に出稿するなど、ターゲットに合わせて出稿時間を変えられることがポイントです。
スポットCMはGRPベース(世帯視聴率の合計値)で出稿することになるので、タイムCMと比べると比較的融通が利きやすい枠ともいえます。
SASはスマートアドセールス(Smart Ad Sales)の略で、15秒一本単位で出稿します。スポットCMより低予算で出稿できるため、テレビCMを試してみたい企業にオススメです。
SASは放映タイミングや番組も指定できるので、時間帯で出稿するスポットCMよりもターゲティングしやすい側面もあります。
SASで出稿したい番組や時間枠は、自由に選べる訳ではありません。空いているCM枠を選んで出稿することになるため、希望を通したい場合はなるべく早めに動き出しましょう。
また、SASはCM放映時間を事前に予約できる反面、出稿を取りやめる場合はキャンセル料がかかります。出稿枠は計画的に確保するようにしましょう。(放映期間が迫るとキャンセル不可の場合もあるため、あらかじめ代理店に確認しておくと安心です)
CMの希望出稿時期の1ヶ月前には放送枠の確保が必要!
ここまで紹介したいずれの枠でCM出稿する場合も、希望する出稿時期の1~2ヶ月前には放送枠を確保した方がよいです。
Web広告やSNS広告は広告枠がほぼ無制限ですが、テレビCMは放送量が決まっています。希望する時間帯の枠が埋まってしまえば、放送枠が空くのを待たなければなりません。
テレビCMは放映までの手続きや審査も厳しいので、スケジュールには余裕を持たせておきましょう。
テレビCM出稿を代理店に依頼するメリット
さて、テレビCMは、原則として代理店に依頼して放映することになります。
テレビCMの放映までには、このように多くの企業が関わることが特徴です。このような関係性の中で、テレビCMの出稿を代理店に依頼するメリットとしては、次の4つが挙げられます。
- 効果的な出稿方法についての知見
- 煩雑な手続きの代行
- テレビ局との良好な関係
- CMのクオリティ担保
それぞれのメリットの詳細は次のとおりです。
効果的な出稿方法についての知見が得られる
テレビCMを出稿する際、まずは放送枠とどのように確保するか決めなくてはなりません。スポットCMで出稿すべきなのか、タイムCMやSASにするべきなのか、初めてテレビCMに挑戦する場合には判断がつかないのではないでしょうか。
また、テレビCMをどのくらい流すのか、いわゆる「GRP投下量」も決める必要があります。
GRP = 獲得した世帯視聴率の合計値
GRP(獲得した世帯視聴率の合計値)は「GrossRatingPoint」の略で、獲得した世帯視聴率(Rating)の合計値(GrossPoint)を表す指標です。視聴率1%の番組にテレビCMを1本出稿したとき、1GRPを獲得できます。
なお、近年ではより詳細なターゲティングを行う観点から、個人視聴率の延べ視聴率「PRP(Persons Gross Rating Point)」や、自社のターゲット層のみに絞った視聴率「TRP」も重視されています。
GRP投下量は、獲得したい認知度に応じて決まることが一般的です。スリーヒッツセオリーでは「認知 = CM接触回数(フリークエンシー)3回」とされており、フリークエンシー3回を達成するためには400GRPが必要と言われています。
さらにここから、放映エリアの世帯数・世帯人数などを複合的に鑑みてGRP投下量を計算することになるので、自社のみで決めるのは非常に難しいでしょう。
GRP投下量と認知率の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
CMはどれくらい打てばいい?テレビCMの出稿量と認知率の関係を徹底解説!
自社に最適な出稿方法についてプロの視点からアドバイスしてもらえることは、代理店に依頼する最大のメリットといえます。
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煩雑な手続きを代行してくれる
テレビCMにまつわる煩雑な手続きを代行してくれることも、代理店に依頼するメリットです。テレビCMには厳しい基準が定められており、入稿基準やCM内容を守って制作しなければなりません。また、テレビ番組CM連絡票や放送確認書など、多種多様なやりとりも発生します。
これらのテレビCMにまつわる手続きをサポートしてもらえれば、初めてのテレビCM出稿でも安心できるでしょう。出稿枠を押さえる作業を安全・効率的に代行してもらえることは、テレビCMのプロである代理店ならではのメリットです。
10桁CMコード
テレビCMには、前半の「広告事業者コード(4桁)」と、後半の「素材コード(6桁)」から成る10桁CMコードが割り振られます。この「広告事業者コード(4桁)」については、それぞれの広告事業者(広告主)が自分で取得しなければなりません。代理店に代行してもらうことはできませんが、申請方法などは説明してもらえるので安心してください。
10桁CMコードについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
4つのステップで簡単!CM出稿に必要な10桁CMコードの申請手順&注意点
テレビ局と良好な関係を築きやすい
代理店はさまざまなCM案件を通じて、既にテレビ局と良好な関係を築いていることが多いです。そのため、CM枠の確保について、ある程度は融通してもらえることも期待できます。
テレビ局と良好な関係を築きやすいことも、代理店を通してCM出稿するメリットといえるでしょう。
CMのクオリティ担保
代理店にCM素材の制作まで依頼すれば、クオリティ担保にも繋がります。
テレビCMは非常に多くの視聴者の目に触れますから、CMクオリティがそのまま自社のブランドイメージに直結するといっても過言ではありません。悪い印象を広げないためにも、CM制作は映像のプロに依頼した方が安心です。
また、テレビCMは不特定多数の視聴者に放映される特性上、厳しい放映基準が設定されています。「CM考査」と呼ばれる審査を通らないと、CMは放送されません。
「業態考査」と「素材考査」
CM考査には、広告主の事業形態をチェックする「業態考査」と、CM素材の表現・入稿規定をチェックする「素材考査」があります。
素材考査のよくある不承認理由としては「虚偽、誇大表現」「根拠のない最大級表現」が挙げられます。景品表示法を順守する観点からも、これらの表現には注意しましょう。
CM素材を制作する際は、CMならではの基準についても知っている必要があります。映像制作に精通している代理店もあるので、テレビCMを出稿する際はテレビCM・映像制作・マーケティングの全てに対応している会社を選んでみてください。
安全に出稿するための代理店選びの3つのポイント
ここまで紹介した内容をふまえて、テレビCM代理店の選び方を紹介します。可能であれば、下記の3つ全てを満たした代理店に依頼するようにしましょう。
- スピーディーにやり取りしてくれる代理店
- 包括的に対応してくれる代理店
- マーケティングの知見が豊富な代理店
ここからは、安全に出稿するための代理店選びのポイントを具体的に解説します。
1.スピーディーにやり取りしてくれる広告代理店
CM出稿までには、さまざまなフェーズが存在しています。また、CMをスケジュール通りに出稿するためには、代理店との協力が不可欠です。スムーズに出稿するためにも、コミュニケーションがスピーディーに取れる代理店を選ぶようにしましょう。
担当者のレスポンスが遅いと、それだけスケジュールが立てづらいですし、CM内容の変更やCM枠の調整が必要な場合に対処できないかもしれません。
初めてテレビCMを出稿するような場合は、営業段階から返事が早い代理店を選ぶことをオススメします。
2.包括的に対応してくれる広告代理店
テレビCMの素材制作・出稿には、さまざまな要素が含まれます。CM枠を押さえるだけではなく、ターゲットオーディエンスの特定・予算の最適化・メディアプランニングも含めた提案をしてくれる代理店を選びましょう。
また、映像制作にも精通している代理店を選んだ方が、CM戦略とCM素材の一貫性を保ちやすく、成果を上げやすいです。
3.マーケティングの知見が豊富な広告代理店
テレビCMは、マーケティング手段の1つです。テレビCMを放映するからには、認知拡大や集客など、マーケティング上の成果にまで気を配れる代理店を選びましょう。
CMターゲットへの理解・競合他社のCM分析はもちろん、CM予算のROI(投資対効果)まで意識してくれる代理店がオススメです。
まとめ
テレビCMには「タイムCM」「スポットCM」「SAS」と3つの出稿枠があり、CM目的に合わせて適切な枠を確保する必要があります。
CM枠 | 特徴 |
---|---|
タイムCM | 特定番組のスポンサーとして契約 中・長期的なブランディング戦略 出稿費用は高め人気の枠は埋まりやすい |
スポットCM | 出稿時間帯を指定して契約 放送期間やCM投下量を調整しやすい タイムCMより出稿費用が安い 比較的融通が利きやすい枠 |
SAS | 15秒のCMを一本単位で契約 放映日時や番組を指定できる 最も安価で手軽に出稿できる 空いているCM枠を選んで出稿する |
最適な枠を確保するためにも、希望時期の1ヶ月前には代理店と連携し、枠を確保するようにしてください。特にタイムCMの場合は、早めの動き出しが肝心です。SASも空いているCM枠を選んで出稿することになるので、希望する番組や放映時間が決まっている場合は、前もって代理店に伝えておきましょう。
また、CM枠以外にも、素材制作やCM考査など、CM放送に必要な要素は数多く存在します。すべての手続きを滞りなく進めるためには、テレビCMに精通した代理店に依頼した方が安心です。
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テレビCM・動画媒体の運用なら実績豊富なAdMarketへ
- 高橋 美咲
- 住宅販売のマーケティングチームにてオフライン施策のコミュニケーション戦略や
TVCMなどのマス広告を中心とした統合コミュニケーション戦略立案の展開や運用を経験。
現在は広告代理店にて上位の戦略から予算を抑えたコストパフォーマンスの良いプロモーションの戦略の立案まで幅広く、プランニングに従事。
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