3DCGを活用した映像制作の手順とは?費用・メリットも徹底解説!
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3DCGを活用した映像制作の手順とは?費用・メリットも徹底解説!

3DCG/CG制作

今や、テレビやWebでもよく目にするようになった3DCG映像。しかし、その制作手順や費用、そしてその魅力については、まだ十分に理解されていないのではないでしょうか。

そこで、この記事では3DCG映像制作の手順費用相場、さらにそのメリットについて詳しく解説していきます。広告・広報ご担当のみなさまがまず、3DCGの基本について知っていただき、積極的に取り組んでいただけるように情報をまとめました!是非最後までご覧ください。

目次

3DCG映像制作の魅力とは?実写では得られないメリットをご紹介!

3DCG映像制作には実写では表現できない魅力が詰まっており、幅広い表現や3DCGならではの特殊効果など、そのメリットは多岐にわたります。ここでは、3DCGの映像制作が持つ独自の魅力をご紹介していきます。

リアルな仮想空間を創造!撮影が難しい、実在しない、目に見えないをすべてCGで実現

リアルな仮想空間を創造

3DCGによる映像制作では、リアルと見間違えるような空間をCGによって創造することができます。

例えば、実写では撮影が難しい壮大な自然の風景や宇宙空間、そしてミクロな世界やファンタジーの仮想空間などをCG技術を駆使することで、細部まで緻密に表現することが可能に。視覚的な魅力を高めることで、視聴者に没入感と驚きを与えることができます

製品を手軽に再現して表現力UP!製品を3DCGで表現する利点とは?

製品を手軽に再現して表現力UP

実写の映像の場合は製品を撮影する必要があるため、スタジオや機材、スタッフの手配はもちろん、背景セットの製作・組み換えなどの準備も行わなければなりません。

しかし、3DCGの場合、CADデータがあれば撮影を行わなくてもPC上で製品を再現できるため、撮影用のスタジオや機材、スタッフを手配する必要がありません。3DCGの中で疑似的なスタジオを作り、製品がきれいに見えるライティングで撮影することも可能です。

CAD(Computer Aided Design)とは

建築物や家具、電化製品、部品などをはじめ、身の回りのさまざまな製品は図面を基に作られていますが、この図面の設計や製図をPC上で行えるのがCADです。CADで作成した図面は、データで管理・共有することができます。

また、製品の外観や仕組みをエフェクトなどを加えて鮮やかに表現することで、視覚的なインパクトを与えることが可能となり、製品の魅力を最大限に引き出せます。

3DGを活用すれば製品の内部構造までわかりやすく伝えることもできるため、工業製品や電子機器などの内部構造にアピールポイントがある商品においては、製品の技術訴求力を高めることもできるでしょう。

動きで魅せる!アニメーションによる3DCG映像制作の魅力

動きで魅せる!アニメーションによる3DCG映像制作の魅力

3DCG映像制作においては、静止画だけでなくアニメーションを制作し、動きを加えられるのも大きな魅力の一つ。アニメーションは、製品の機能や仕組みを分かりやすく伝えるのに非常に有効な手法です。

組み立て手順や動作のシミュレーション、製品の利用イメージなどを3DCGでアニメーション化することで、視聴者が直感的に理解しやすい映像を制作できます。アニメーションによる動きや演出は、視聴者にインパクトを与え、商品をより魅力的に伝えることができるでしょう。

柔軟な編集性で映像を最適化!3DCG映像の編集における魅力

柔軟な編集性で映像を最適化!

3DCG映像制作では、実写映像に比べて編集や修正を柔軟に行えます。実写映像では撮影時に固定されたカメラアングルや撮影時の状況を後から変更することは不可能ですが、3DCG映像ならCGソフトウェア上での編集作業により、カメラアングルの変更や特殊効果の追加など、さまざまな変更や修正を加えることができます。

細部の修正も映像の仕上がりを見ながら調整できるため、編集作業によって再現度や表現の幅を広げることが可能に。よりこだわった編集をすることによって、効果的にメッセージを伝えられるでしょう。

制作コストが削減できる場合も!3DCG映像制作での節約ポイントとは?

実写映像の場合は、製品を撮影するスタジオや撮影機材、背景セットなどの準備が必要となり、場所代や機材のレンタル費用、人件費などのさまざまなコストがかかります。しかし、CADデータがある場合、撮影を行わなくてもソフトさえあれば製品をPC上で再現できるため、これらの費用をカットすることができます。

もちろんCG制作費はかかりますが、大型の医療機器や大型家電、オフィスでの複合機や車にいたるまで、近年では撮影よりもCGの活用の方が主流になりつつあります。

さらに、制作プロセスの効率化著作権フリーの3DCG素材の利用もコスト削減に寄与します。3DCGであれば、一度制作した3DCGデータを保管し、必要に応じて再利用することが可能。実写の撮影とは異なり、変更や修正を何度でも行うことができるため、長期的な視点で見ると、コスト削減につながることもあります。

難しい撮影が必要な場面や同じ製品で別の動画を制作したい場合などは、ぜひ3DCGの活用を検討してみてください。

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プロセスを解説!3DCG映像制作を行うための6つの手順

こちらでは、3DCG動画の制作手順について詳しく解説していきます。3DCGの制作がどのような工程で進行するのかを理解することで、効率的な進行に寄与するだけでなく、制作のポイントや魅力についても理解を深められるでしょう。

初めて3DCGに触れるという方にとってもわかりやすいように、ステップを追って説明していきます。

1.三面図の作成:何もないところから3DCGを制作する場合

三面図の作成

3DCGの制作を始める際には、物体の立体像を把握するために「三面図」が必要に。三面図とは、正面・背面・側面の3つの視点から見た平面図のことで、これにより立体物全体の形状と寸法が把握できるようになります。

CADデータを持っている場合はこの工程を省略できますが、CADデータがない場合は、三面図の制作から始めなければなりません。図面がない場合は実際の物体から寸法を測定し、三面図を作成することもあります。

制作費を抑えたい場合には、事前に図面やCADデータの準備をしておくことが重要です。何もない場合でも3DCGの制作は可能ですが、制作費を抑えたいのであれば、図面やCADデータは手配できるといいですね。

2.モデリング:2Dから3Dへの変換

モデリング

三面図をもとに、立体的な3Dのデータを制作する作業が「モデリング」。立体物をデジタル空間上に作成する非常に重要なプロセスです。三面図と実際の製品をもとにゼロから制作する場合は、簡単な形状でも1~2日かかる作業となり、複雑な機械やエンジンなどの場合は、さらに時間がかかります。

3DのCADデータをあらかじめ入稿している場合は、ここまでの作業が済んでいる状態です。モデリングの段階で、3DCGのモノの形が確定するため、細部まで慎重にチェックしましょう。

また、新製品を3DCG化する必要がなく、一般的な商品を3DCGで見せたいという場合であれば、素材を購入して活用することで、時短になり費用を抑えることも可能です。例えば車の場合、既成の3DCG素材の中から好みに近いデザインのものを購入し、必要に応じて部分的に形を変えていけば、コストカットにつながります。素材の購入はものにもよりますが、数千円~2万円程度で購入できるでしょう。

3.質感設定:色と質感の魔法!無機質なデータがリアルに生まれ変わる

質感設定

モデリングが完了した後は、質感設定を行います。無機質なグレーのモデリングがされた3DCGデータに、パーツごとにマテリアル(表面素材、色)または、テクスチャ(模様や画像)を設定し、実物と同じような外観に仕上げていきます。

素材が異なる部分ごとに、プラスチック、金属などの質感を指定していくと、よりリアルな3DCGに仕上がります。色はもちろん、その素材独自の輝きや反射が生まれ、どの角度から見ても、どんな角度から光を当てても、本物と同じように見えるようになるのです。

3DのCADデータがすでにある場合は、ここから作業が始まります。質感設定を行う前後のデータを見比べると、その違いに驚くことでしょう。

4.スキニング・リギング・アニメーション設定:リアルに動き出す!命を吹き込む要作業

スキニング

スキニングは3DCGのキャラクターに骨を関連付けるプロセスのことで、パーツが動くように設定します。スキニングによりパーツが動いたときの骨の動きに合わせて、パーツの表面も自然に変形するようになります。これは、主に人物やキャラクターの3DCG制作において必要な作業となり、機械などのオブジェクトの場合は、次に説明するリギングのみで対応できます。

リギングは、3DCGのキャラクターやオブジェクトにアニメーションをつけるためのコントロールを追加するプロセスのこと。関節を設定し、それらの関節を制御するためのコントローラーやスライダーなどを制作することで、キャラクターやオブジェクトに動きを付与できるようになります。

機械などの製品も、フタが開く、中から液体が出来る、コンベアが動くなど、様々な動作をしています。これらの動作を動画で表現するためには、この作業は欠かせません。こうしたスキニングとリギングの作業を通して、アニメーション設定ができるようになります。

アニメーション設定では、キーフレーム設定やタイムライン編集、モーションキャプチャの適用などが行われ、キャラクターや製品に動きや表情を付けることができます。

5.シーン設定:3DCGをどう撮影する?デジタル空間のスタジオで

いよいよ、ここまで作り上げてきた3DCGを撮影する段階に入ります。撮影というと、「撮影しないから3DCGにしたのでは?」と思うかもしれませんが、3DCG映像制作においては、制作した3DCGをどのように見せるかを検討し、動画として仕上げていく作業を「撮影」と呼びます。

3DCGでも、通常の撮影と同じようにデジタル空間の疑似的なスタジオで撮影を行います。撮影の前に行うシーン設定で必要になる要素は以下の通りです。

照明(Lighting)

シーンに配置されたオブジェクトやキャラクターに光を当てる設定のこと。照明の配置や強さ、色などによってシーンの雰囲気や影の表現が変わるため、リアルな表現や特定のムードを出すためには、照明設定に特に注意する必要があります。

カメラ(Camera)

シーン内の視点を決めるカメラの位置やアングルを設定します。カメラの位置やアングルによって視点の選択が変わるため、カメラの設定は作品の視覚的な表現に大きな影響を与えることに。また、ストーリーテリングやアクションシーンの迫力など、物語性においても重要な要素になります。

テクスチャ(Textures)

壁や地面の質感、スタジオ内のテクスチャなどを選ぶことで、リアルな表現やアートスタイルの演出が可能に。テクスチャだけでなく、街中や自然などのシーンで撮影する場合は、次の環境設定で背景を決める必要があります。

環境設定

シーン内の背景や地形を作成します。建物や自然の風景、都市の景色など、作品の舞台となる環境を設定することで、シーンの設定や物語性がより強調されるようになります。

これまでは、中心となる機械や人などのオブジェクトを制作する作業でした。これまでの作業も重要ですが、撮影の作業は、動画のストーリーを組み立てるうえでとても重要になります。この作業以降の修正・変更は難しくなるため、この段階でしっかり世界観を作り込み、確認するようにしましょう。

6.レンダリング・コンポジット::仕上げの鍵!完成度を高めてより魅力的な3DCG動画に

レンダリング・コンポジット

レンダリングとは、3DCGのシーンやモデルを2次元の画像や映像に変換する作業のこと。オブジェクトやキャラクターに照明やカメラを適用し、テクスチャやマテリアルを反映させることで、最終的なビジュアルを作成します。これは、先ほどのシーン設定を固定する作業となります。
レンダリングしたものは高解像度の画像や映像ファイルとして保存され、ポストプロダクションで使用されますが、複雑なシーンや高品質の画像を作成する場合は時間がかかることも。

レンダリング後は3DCGが動画素材として固定されるため、以降の修正は難しくなり、修正を行う場合は追加費用が発生する場合もあります。そのため、シーン設定の段階で制作会社とイメージをしっかり共有し、カメラワークや製品のアングル、ライティングなどをしっかり確認しておくようにしましょう。基本的なシーン設定はこの段階で固定されます。

コンポジットとは、レンダリングされた複数の画像や映像を組み合わせて、最終的な映像を仕上げる作業のこと。具体的には、下記のような作業を指します。

  • 背景の追加や合成
  • エフェクトの追加
  • カラーグレーディング
  • VFX(視覚効果)の追加
  • アニメーションの後処理

コンポジットの目的は、個々のレンダリング結果を一つのシーンにまとめて必要な修正や演出を加え、完成度の高い映像をつくること。レンダリングだけでは表現しきれない映像効果や表現を実現するために重要な作業となります。

撮影だけでなく、レンダリングとコンポジットを組み合わせることで、高品質で表現豊かな3DCG映像が完成します。

【動画マーケがおすすめ】CGアニメーションから背景CG合成まで制作対応可能!

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3DCG映像制作の費用相場と注意点を知ろう!

3DCGの映像制作においては、主に2つの工程に分けて費用を算出できます。費用の算出方法については、企業によって異なる場合があるため、どこまでの作業を含んだ費用なのか自分がどこまでの作業を求めているのかを明確にしたうえで、見積りを確認していきましょう。

1つのメイン製品の3DCGを作りこみ、1アングル1カット10秒の3DCGを制作した場合、相場としての最低料金は、100,000円程度でしょう。その料金を基ととし、製品の複雑さやシーンの作り込み・動画の長さによって価格が変動していきます。

CADデータがすでにある場合:「モデリング」「アニメーション」にわけられる

3DCG映像の制作にかかる主な費用は、3DCGのオブジェクトを作り、質感設定をして仕上げるまでの「モデリング」にかかる費用と、その後のシーンを設定して動画にする「アニメーション設定」にかかる費用の、大きく2つに分けられます。

最低価格の10万円はモデリングで5万円、アニメーションで5万円の想定です。先にもご説明した通り、3DのCADデータがあるかどうかで作業ボリュームは大きく異なり、5万円はCADデータがある場合の最低価格となります。部品の多い複雑な構造のものや、内部までの細かな作り込みが必要なものを3DCGで制作する場合は、工程数によって見積りが変動します。

CADデータがない場合:画像から3DCGを作る最新技術「フォトグラメトリ」の活用

CADデータがない場合は、三面図の作成など、ゼロから3DCGをモデリングしていく必要があります。この作業には膨大な時間がかかるため、その分費用も高くなります。そこで活躍するのがフォトグラメトリの技術です。

フォトグラメトリとは、被写体を様々な角度から撮影し、撮影したデータをもとに3DCGモデルを制作する最新技術のこと。この技術を用いれば、CADがなくても三面図を作成する必要がないため、コストを大幅にカットして3DCGデータを制作できます。

特に、アパレルや美術工芸品など、CADデータがない製品の3DCG化にオススメです。小型の製品であれば、50,000円程度の費用で制作できます。

また、ドローンや3Dレーザースキャナーを駆使することで、社屋や寺社仏閣などの3DCG化も可能です。

フォトグラメトリについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
フォトグラメトリとは?撮影のコツや必要な機材、3DCG作成手順もご紹介

複雑な要素に要注意!費用が高くなるケースを把握しよう

アニメーションの設定では、動画の世界観にこだわればこだわるほど膨大な費用がかかります。最低価格の5万円は、1日で作業できる10秒程度の動画の費用相場です。

動画の長さやシーンの作り込み、演出などによってかかる費用は異なります。たとえば、細かなエフェクトを足したり、水を動かす演出などの難しい作業が入ってくると、より多くの費用がかかるでしょう。

グラフィックで説明可能な箇所はグラフィックで対応したり、素材で対応できるところは既成の素材を活用したりすることで費用を抑えることができるため、予算応じて調整するようにしましょう。

まとめ

3DCGについて理解を深めていただけましたか?3DCGの世界は奥深いため、3DCGに関する専門的な知識を豊富に持ち、3DCGの制作実績が多数ある映像制作会社に制作を依頼することをおすすめします。

実写では見られない世界を表現できる3DCGは、確実に視聴者の心を掴むでしょう。技術とアイデアを融合させ、3DCG動画を活用することで、魅力的なプロモーション動画の制作が可能になります。ぜひチャレンジしてみてください!

動画マーケでは、3DCG制作のすべてをワンストップで行える3DCGの専門セクション「CGMAKERS」を有する、3DCGの制作実績が豊富なこちらの映像制作会社をおすすめしています。

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稲田 貴夫
製品〜空間の3DCG映像や画像を制作。
3DCGの領域において広範なスキルセットを持っている。
モデリング、テクスチャリング、アニメーション、ライティング、レンダリングなど、3DCG制作の全ての要素に精通。メタバース・NFTにも注力し実績を積み上げている。